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新潟日報 3月11日号「五頭からのたより」大切な仲居さんの存在

 「仲居さん」。旅館にいらっしゃるお客様のお世話をしてくれる、旅館にとってとても大切な存在です。
仲居さんは接客業。お客様の都合によっては、夜遅くまで働かなければならないこともあります。
 環翠楼の建物は古く、調理用のエレベーターもありません。しかも客室は離れ形式になっています。
そのため、各お部屋までの歩く距離が長くなり、お料理を運ぶのは大変な仕事です。
 うちのような小さな宿の仲居さんは、接客だけではなく、お客様の目に付かないところでも忙しく働いています。
お掃除をしたり、洗いものをしたり。お客様が快適に過ごせるよう、さまざまな準備をしてくれています。
 他のお宿の仲居さんに比べるとだいぶ難儀を掛けているかもしれません。
それでも、いつも笑顔でいてくれるうちの仲居さんたちに、私はただただ感謝です。
 今の宿泊客の形態はさまざまです。
常連さんや高齢のお客様、県外から観光にいらっしゃる方々、団体様やご夫婦様、その中でひとりひとりに合った接客が必要となります。
忙しい中でも、いかにお客様に満足していただけるか、というのは仲居さんの腕次第。
笑顔で接しつつ、いつでも先方の気持ちを察しようという心掛けは欠かせません。
 お客様がひとりひとり違うように、仲居さんだってひとりの人間。おもてなしにも個性があります。
皆同じ決まりきった接客だったらきっと寂しいでしょう。
仕事としてだけではなく、一人の人として、相手の気持ちを察することができるかどうか、
お客様と心を通わせることができるかどうか。
それが、人間味のある接客なのだと思います。
 自分のするおもてなしによって相手が幸せになる瞬間に立ち会えること。
それがこの仕事の醍醐味だと思います。
難しいことだからこそ、やりがいのある仕事なのだと思います。
 今日もお宿にいらっしゃる方々の「ありがとう」の一言を励みに、仲居さんは張り切ります。
「仲居さん」っていう言葉は「仲立ち」するために「居て」くれる人。
旅館とお客様を結びつけてくれる、とても大切な職業です。
まさに旅館のおもてなし、そのものだと思います。
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写真説明
お客様を見送る朝の一こま。
仲居の仕事は、一人一人の声に耳を傾ける難しい仕事ですが、
尽くした分だけお客様の笑顔が返ってきます。

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