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『甘口辛口』 ⑤

『甘口辛口』 ⑤
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―からこさげ―
12月12日は山の神様、15日は水神様の日です。
村杉に古くから伝わる行事で「からこさげ」と呼んでいます。
「からこ」とは洗米を砕いて作った団子。
健やかに一年を過ごせた感謝の気持ちとして、からこをお供えし、お下がりを頂くことから、
からこさげという名になったそうです。
今ではからこを作る家庭はなくなりましたが、代わりに子供が好みそうなお菓子をお供えします。
両日の夜、薬師堂と神社の拝殿の扉からはうっすらと灯(あか)りが漏れ、
子どもたちの賑(にぎ)やかな声が聞こえます。
扉を開くと、上手に正座した村杉の子どもたちは、神様に仕える子になったかのように黙して一斉に頭を下げます。
幼いころは、ただ、お菓子をもらえることが楽しみだった行事。
大人になった今、中はとても小さく感じられ、迎えてくれる子どもの数も減りました。
時代とともに変化していく伝統行事ですが、
受け継がれることにより自然の恵みに感謝する気持ちを育(はぐく)むことができると思います。
みんなで大切に守っていきたい、からこさげです。
今年も からこさげ に行ってきました。
「神社の扉の鍵が開かないよぉ!」と子供達に連れられ、私が開けることに。
おっ。今年は私も一役かったぞ。
とても寒い日で、子供達は鼻を真っ赤にしながらお出迎えしていました。

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