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新潟日報1月28日号『五頭からのたより』

五頭の里にも雪が積もり、やっと、越後の冬らしい景色になりました。
雪上に舞い落ちる雪が作り出す景色は、一言で「白」とはいえないような濃淡のある世界です。
耳を澄ませば、深々と降り積もる雪の音が聞こえてきます。冬が寒いのは当たり前ですが、
この「白」の中に、暖かさを感じられるのは不思議です。
 村杉温泉街の真ん中には共同利用の浴場や足湯、露天風呂があります。寒い外気に温泉の湯気がモクモクと上り、この一帯は冬でもたくさんの人たちで賑わっています。
村杉の湯は無色無臭で、一見何の変哲もないようなお湯です。
しかし、実は希少価値の高いラジウム泉で、体の芯からよく温まり、何度もここに通う人が後を絶ちません。
 地元の人たちも足を運ぶ共同浴場では、よそから訪れた方たちの声も交わり、楽しそうな声が響いています。
コートを着たままでも、気軽に入れる足湯では、近くで汲んできた清水を飲みながら、ゆっくりと読書をする方もいます。どのくらい足を入れていたのでしょうか、額にはじんわり汗がにじんでいる人さえいます。
 私も穴場の時間帯を狙い、一人露天風呂へ行ってみました。簡易の脱衣場は外気と同じくらい寒いのですが、それがまた、温泉に入る気持ちを一層掻き立てるのです。
 しめしめ誰も居ないぞ。
 冷えた足先を湯船にそろりと入れると、ジーンと頭のてっぺんまでしびれるような感覚になります。
湯船につかれば、顔に当たる粉雪が気持ちいい・・・・。
開放的な気分になり、体だけではなく心もリフレッシュさせてくれます。
 もしかしたら、温泉の魅力って、お湯そのものの良さだけではないのかもしれません。
温泉につかりながらのおしゃべりや鼻歌で気分が楽しくなったり、
一人無心になtって自分に返ってみたり。
また、手足を思いっきりのばして疲れを取ったり、周りの景色を眺めて心がすがすがしくなったりするのも良いものです。
 温泉に求めるものは、人それぞれで、温泉が人に与える影響もそれぞれに変わってくるのだと思います。
今日はどんな方たちがここへやってくるのでしょうか。
五頭の温泉はいつもと変わらず湧き続け、皆さまをお待ちしております。
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村杉の共同露天風呂で雪見風呂を楽しむ男性。
「最近、よく来るんです。ここ、最高!」と話してくれました。

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