新着情報

新潟日報8月26日号 五頭からのたより『小さな発見重ね 人は成長」

八月も終盤を迎え、子供達の夏休みも終わりに近づいています。そんな中、村杉の子供たちはいつにも増して元気よく自転車に乗り、駆け回っています。汗を手でぬぐいながら、風のように走る姿を見ると、そんなに急がなくても大丈夫だよ、とほほ笑んでしまいます。過ぎ行く夏休みと追いかけっこをしているのでしょうか。
 にぎやかな声に包まれると、自分が子供だった頃を思い出します。友達と朝の四時に待ち合わせし、自転車をこいで山の上の方まで行き、イワナやニジマス釣り。餌にするミミズだってへっちゃら。釣り糸の先の針に付けたらポーンと川へ投げ込むだけ。コツなんて必要なし!
 夜には昼間のうちに仕掛けた蜜に引き寄せられたカブトムシやクワガタを捕りに林の中へ入ります。男の子だから、女の子だからと区別せず、みんなで楽しんだ魚釣りや昆虫採集。夏は毎日がちょっとした冒険でした。
 村杉から山道を車で走ること10分。「五頭山麓いこいの森」があります。アカマツやブナ、ナラなどの木々に囲まれた森の中に、キャンプ場や川遊びができるよう整備された川があります。私が子供の頃、自転車で一時間掛けても来る価値があったこの場所は、今も変らず子供たちの遊び場です。
CIMG2635.jpg
 「最近の子供は・・・」などと耳にしたりもしますが、元気よく遊んでいる地元の子供達を見ると、今も昔も変わっていないように思います。変わってしまったのは私自身。あんなに楽しかった川遊び。子供たちに続いて、いざ水の中に入ろうとすると腰が引けてしまったのです。
 そんな自分に驚き、少し寂しく思いました。気付かないうちに、現実だけを見てしまう大人になってしまったようです。同時に子供にしか見えないものがあるのだと気付かされました。
 日常の中での小さな発見や驚き、その中で芽生える小さな喜びや感動です。それらは私たちが生活していく中での糧となり、明日への成長へとつながっていたものだと思います。
 大人になった今では、同じ事の繰り返しのような毎日ですが、実は日々新しいことの始まりなのかもしれません。子供は子供の気付きが、大人には大人の気付きがあるはずです。子供たちとひとときの夏を過ごし、子供たちに教えられ、ほんの少し成長できたような気がします。
CIMG2634.jpg
写真説明
五頭山麓いこいの森の河原で川遊びを楽しむ子供たち。ただ泳ぐだけではなく、潜ったり、ジャンプしたり、魚を捕まえたり。いつでも子供は遊びの先生です。
村杉温泉街で捕れたカブトムシを覗き込む男の子たち。「今日の夜もまた、捕まえに行くか?」と相談中。

To top