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新潟日報11月12日号 『五頭からのたより』パワフルな地元女性陣

ここ五頭温泉郷に、突然、県内のテレビ局からの取材依頼がきました。どうやら阿賀野市全体の取材らしいのですが、こんな小さな集落にもテレビが来るということで、地元のおかあちゃんたちは大騒ぎです。 
 村杉のおかあちゃんたちは、とにかく笑い、パワフルです。朝は早くから畑仕事。「ほんのおすそ分け」なんて遠慮がちな事を言いながら、片手では抱えきれないほどの生花や新鮮な野菜を、旅館に持ってきてくれる方もいます。
 客室に飾る華はほとんどが地元の方からの頂き物です。本当にありがたいと思います。自ら採った柿は丁寧に皮をむき、軒下につるして干し柿に。豆が手に入れば、一つずつつぶして「ぶち豆(うち豆)に。大根の葉は塩に漬けて保存食にします。漬けた葉で冬に作る茎菜汁は最高です。
 人の喜ぶ顔を見るために、自分にできることを探し、それを楽しんでやっているような村杉の女性陣。そんな心優しい人たちは誰かに喜んでもらうためだったら、手間や時間は惜しみません。
 そこに舞い込んだテレビの取材。おかあちゃんたちの顔がいつにも増して、張り切り、輝いてみえるのは決して気のせいではありません。
 「普段通りの姿でお願いします」という取材スタッフに対して、「えっ?普段通りで良いの?」と一瞬気が抜けたようでした。しかし、すぐに元のパワフルな姿に戻りました。
 カメラは回っていましたが、おのおのが作った郷土料理を持ち合い、相手の料理の味を褒め合う。いつも通りの楽しい時間を過ごすことができたようでした。
 取材に求められたのは、特別なことではなく、ここに住む人たちの普段通りの姿でした。大変なことを大変だと思わずにやること、日常生活を笑って過ごすこと。また、ご近所さんとのつながりを大切にすることだったのです。
 心を開くこと、受け入れることが、少し勇気がいるようになってしまった昨今。
誰かに喜んでもらいたいという気持ちを持つことが、人とつながっていられる一番の方法なのかもしれません。
 普段通りの生活を送れることの凄さ、正直に生きることの凄さ。今回の取材を通して、村杉のおかあちゃんたちが、私に教えてくれました。
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写真説明
ぶち豆を造っているところに村杉の女性陣が集まってきました。よく笑いパワフルなお姉さまたちも
カメラを向けると少しおすまし顔。
 

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